「厄年」って良くないことが起こる年っていうのは知っているけど、実際詳しい事はよく分からないという方も多いかもしれません。よく分からないまま厄払いを受けるより、きちんと理解して受けることがより厄を払い、ご利益を得ることに繋がります。

「厄年」は元々は古代中国から日本に伝わった「陰陽道」から生まれたと言われています。
厄年の歴史は古く、実に平安時代から現在までつづいているのです。
時代によって変化してきた厄年の考え方
厄年の歴史は実に長く、日本人の生活や考え方にもおおきな影響を及ぼしながら今日に至ります。その時代背景の中、少しずつ変化を遂げている厄年の歴史を紐解いてみましょう。
平安時代の厄年の考え方
平安時代においては、貴族の人々を中心に、12年ごとに自分の干支が一周して巡ってくる年は、それまでの良い運勢がリセットされるて良くないことが起こる年回りという考え方が広まっていきました。
その証拠として、平安時代の書物、「源氏物語」にも12年ごとにやってくる干支の年を警戒する記述があるようです。
江戸時代の厄年の考え方
江戸時代になると、平安時代から続いていた12年周期の厄年という考え方は変化し、女性19歳(重苦)と33歳(散々)、男性42歳(死に)という忌み数から現在の厄年の年回りが定着していきます。
さらに、江戸や大阪では役を背負っていく行為をして、引き換えに金品を貰うという芸人が現れ始めます。
当時は神社やお寺での厄祓いは主流ではなかったものの、次第に祈祷などを行う大きな社寺では、厄除け祈願が行われるようになります。
近代の厄年の捉え方
これが1970代頃から全国的に厄除け目的でご利益のある著名な社寺に人々が集まるようになりました。次第に、厄祓いや厄除け祈願=近くの神社やお寺で行う、という風習が定着しました。
このように時代の流れによって厄祓いも変化をとげてきました。もしかすると、今後厄祓いの考え方も変化していくのかもしれませんね。
神主が考える厄年の意味
以上の歴史から厄年を考えた時、「ただよくないことが起きるからそれを祓う」という単純なものではない気がします。
厄年は、成人になる、結婚をする、家庭を持つ、子供を授かるなど。人生において大きな転換期となる場合が多いです。
そういった人生の節目に、「ここまで元気にやって来れました、ありがとうございます」という考えのもと、この先も幸せで人にの厄に立つよう、さらに飛躍していくようにという意味合いを含めると深みが増します。
怖いからという事ももちろんですが、こうした考え方を持っておくと、より厄祓いや厄除けが大きな意味を持ち、今後の人生にメリハリを与えてくれるでしょう。
厄年には厄祓いで心身を清めよう
厄年はその時代によって変わってきているものの、その周期で悪い事が起こるという絶対的な根拠はありません。しかし、厄年と言われる年は、人生において大きなターニングポイントになる年でもあります。
その時には、悪いことが起こらないように気持ちを引き締め物事に接することが大切です。
- 厄祓いは平安時代から続いている
- 厄祓いを受ける意味は、これまでの御礼の気持ちと今後のお願いをする
- 厄年は人生の節目に当たり、人の厄に立つ、飛躍の年へという意味を含む
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